A. 全身麻酔ではありません。検査中、問いかけに対し、”うとうとしながらも返事ができる”という『意識下鎮静』という状態です。日本消化器内視鏡学会で作成された「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)」でも推奨されています。
「参考資料 米国麻酔学会 鎮静・麻酔の分類 より作図」
意識下鎮静 | 全身麻酔 | |
反応 | 問いかけまたは触覚刺激に対し反応できる | 問いかけや痛み刺激にも反応しない |
呼吸 | 自発呼吸できる | 自発呼吸できなくなる 人工呼吸器による呼吸管理が必要 |
検査中はモニターで患者さんの状態を注意深く観察しつつ、鎮静剤を少しずつ投与し意識を低下させて、検査による苦痛や、緊張感・不安感をやわらげることを目的としています。
A. 「完全に眠らせて欲しい」という患者さんのご希望があります。検査中、患者さんの状態を注意深く観察しつつ、鎮静剤を少量ずつ追加して行きます。効果には個人差があります。鎮静剤を使用中、うとうとしながら「まだ眠っていません」など言われる方や無意識に喋っている方がおられます。この様な場合は鎮静剤の効果があると判断します。検査終了後に、「全く判らないまま検査が終わった」と言われる方もいれば、「あまり効いた感じがしなかった」と、効果に関しての感想は様々です。
A. 意識がなくなることがある、血圧が下がることがある、呼吸が弱くなることがありえます。
そのため、鎮静剤を使う方には、血液中の酸素濃度、血圧、脈拍、呼吸数を常に監視するモニターを装着し、安心・安全な内視鏡検査を行うよう心掛けております。
A. その時の体調などでも効果に差があります。「前回は効果があったけど、今回は効果が弱く感じた」などのご意見を頂くこともあります。
A. 実際に内視鏡が体内に入っている時間は、上部消化管内視鏡(胃カメラ)では約6分、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)では約20~30分です。
大腸カメラは当日の朝から下剤を飲んでいただき、腸に溜まっている便を出し切る前処置から検査終了まで約4~5時間程度かかります。
組織の検査や、ポリープ切除術を行った場合は検査時間が延長します。
また、鎮静剤を使用した場合は、検査後しっかり目が覚めるまでリクライニングチェアで約1時間休んだ後、帰宅していただきます。
A. 授乳中の方、車で来院されている方(検査当日は丸一日二輪車・自動車の運転はできません)、閉塞隅角緑内障と診断された方、鎮静剤に対しアレルギーがある方、です。また、検査中、鎮静剤の投与により、血圧が下がった方は薬の追加が難しい場合があります。